06年度秋学期情報基礎演習第九回

プレゼン総括とWebサイト構築・HTMLと構造化文書

HTMLと構造化文書について

今年の授業の後半は、WWWに情報を公開するということについて学びます。
実際にみなさんが手を動かして作業をする前に、現在のWWWの発達について簡単に説明しましょう。

1990年代前半のことです。コンピュータと、コンピュータネットワークの発達によって、そこに参加している「全員が」同じように共有できるという情報のあり方が必要になってきました。それまでは、例えばWindowsMacintoshという機種の違い、またMicrosoft Wordと一太郎というようなアプリケーションの違いによって、情報を共有できない状態。つまり、プラットフォーム依存という状態が多かったのですが、そのような状態では困るので何とかしなくて、という訳です。
そこでTimothy John Berners-Leeによって開発されたのがWorld Wide Webという仕組みです。

WWWという仕組みを成立させるには、実はいくつかのキーとなる要素があります。URIと、HTTPと、HTML、そしてWebブラウザです。ちょっと簡単に説明してみると、以下のようになります。

  • URI(Uniform Resource Identifiers)
    • ネットワーク上の情報を一意に特定するアドレスの指定方法
    • URL(Uniform Resource Locator)はURIの部分集合
  • HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)
  • コンピュータ同士が情報をやりとりするためのルール
  • プロトコル」とは約束事、ルール
  • HTML(Hyper Text Markup Language)
    • 環境に依存せずに情報が一貫した方法で表現される文書記述方式
    • 「タグ」と呼ばれる方法を用いて、それぞれの文字列の要素(タイトルなのか、中見出しなのか、本文なのか、など)を示す

==例えば、「自己紹介」がページのタイトルであることを示すには、自己紹介のように表記する


HTMLとは何か

WWW で利用される構造化文書の一種
ウェブページの内容を記述するためのマークアップ言語
見栄えは別の文書(カスケーディングスタイルシート)で定義
ブラウザ(ウェブブラウザ)というソフトウェアなどで解釈し,表示される
HTML(その2)
目的
情報の公開と共有
簡便性(素人でも扱える)
普遍性(どのコンピュータでも記述・解読できる)
作成方法
テキストエディタの利用
オーサリングツール(HTMLエディタなど)の利用
仕様
W3Cという団体が定義
本授業では XHTML 1.0 を利用
ブラウザのふるまい
データを要求する
データが送られてくる
最初にHTML文書が送られる
続いて各種要素(グラフィックイメージなど)が送られる
見栄えの定義(スタイルシート)に従って見栄えを調整
画面に表示
送られてくるデータは,細かいパーツに別れている.
組み合わせて表示(レンダリング





現状,WebPageならそれが達成できる
PPT と Web Page の違い
ドキュメントの作成方法の違い
視覚デザイン
今見ている状態が完成品の姿
論理デザイン
文書の構造を要素としてとらえて記述
構造化文書
視覚デザイン
最終的な出力結果が固定されている
絵画
写真
書籍や雑誌の紙面デザイン
ワープロで作られた文書
パワーポイントの資料も
構造化文書
文書を構成している要素を明確化した文書のこと
大見出し
中見出し
段落
箇条書き
見栄えではなく,論理構造に従って文書を作成する
視覚デザインと論理デザインは相反しない
視覚デザインの方法論でも構造化文書の方法論が必要
文章の要素や構造を意識して記述
構造化文書のメリット
論理構造が恣意的ではないため理解しやすい
文書構築のための時間が短くなる
比較的見通しの良い文書を作成可能
コンピュータ時代の文書活用に適している
コンピュータ時代の文書活用
定義された要素のみを自動的に抜き出す
要約の作成
レポートなどの目次の自動作成
引用資料の自動抽出
人名のみを抜き出す
メディアと見栄え
メディアによって最適な見栄えがある
異なったメディアでも,「文書」として可読である必要がある
クロスブラウズ
PCの画面
携帯電話の画面
書籍
構造化文書を書籍に応用
判型の違い
雑誌の連載
ハードカバー
文庫本
記述方向
縦書き
横書き
論理構造は変わらないので,伝達すべき内容に違いは無い
文書解釈とレンダリング
最適な見栄えの要素はメディアによって異なる
構造化文書を解釈し,最適な結果を出力する必要がある
ソフトウェアが、読み込み、解釈し、出力(レンダリング)する
見栄えの定義
構造を記した文書を解釈し、それぞれに見栄えを与える
ベースとなる見栄え
要素による見栄え
メディアごとに異なる見栄えが用意される
見栄えだけではなく,音声による再生なども視野に含まれる





ネットワークサービス基礎

英辞郎と翻訳サイト(ask.jp, )



参考文献

課題

  • 先週発表した発表者は、来週までの間に日記に質問等のコメントをまとめ、自分のプレゼンテーションの内容に反映しつつ回答等を行う日記を書き込むこと。
  • ウェブサイト構成案を作成し、SNSに掲載