06年度秋学期情報基礎演習第三回
Webの活用と情報検索
自分が必要な情報は何かを考え、目的となる情報を収集する手段を身につける
情報はどこにあるのか −書籍とオンラインで情報を自在に入手する−
今回は、情報の求め方に関する講義です。
以下のそれぞれのサービスを利用して、必要となる情報を入手しましょう。
- オンライン百科事典
- 最新のニュース
- Google News 日本語版
それぞれを利用して効率よく情報を入手しましょう。
図書館を利用する
もちろん大学をはじめとする各種施設に併設された図書館や、自治体などによって設立されている図書館には、読みきれないほどの図書が収蔵されています。それぞれの使い方は、それぞれのシステムに依存していますが、ここでは「国立国会図書館」のウェブサイトを利用する方法について簡単に記します。
図書館での書籍の分類と検索
実際に国立国会図書館を利用する前に、日本の図書館に置ける書籍の分類方法について紹介します。この方法を知らないと、実際に書籍を手に取る際に手間取ってしまいます。さて、日本の図書館では、書籍の分類を日本十進分類法という方法で分類されている場合が多いようです。この分類は、社団法人http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/で策定されています。国会図書館でもこの分類法を用いています(http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html)。
国立国会図書館の利用
それでは「国立国会図書館-National Diet Library:トップページ」にアクセスしてみましょう。このサイトから国立国会図書館に含まれる、ほとんどの資料を検索することができます。
では、実際に「資料の検索」から蔵書検索を行ってみます。ページの右側にあるリンクに注目してください。そこに「資料の検索」というリンクがあります。
「資料の検索」ページでは、実際に検索を行うことができるページへのリンクが掲示されています。注意書きをよく読んで利用してください。
「蔵書検索・雑誌記事検索」という見出しに注目しましょう。この下にリンクされている「国立国会図書館蔵書検索・申込システム」(NDL-OPAC)では、国立国会図書館の図書、逐次刊行物などの所蔵資料を検索することができます。また、複写などの郵送を希望する際には、登録利用者制度(国立国会図書館:登録利用者制度のご案内)があります。この制度を利用することで、遠方に在住であったとしても、資料を入手することができます。
一般資料の検索/申し込み
一般資料を検索してみましょう。NDL-OPAC の一般資料の検索機能では、図書、雑誌新聞、電子資料、和古書・漢籍、博士論文、地図、音楽録音・映像資料、蘆原コレクションの検索、申込みができます。
検索ページでは、
- タイトル
- 著者・編者
- 出版者
- 出版年
- 件名
- 分類記号
- ISBN/ISSN
- 書誌番号
- 請求記号
のそれぞれで絞り込むことができます。
なお、国会図書館の利用については、
デイリーポータルZ:むやみやたらと調べたいの
という記事が分かり易いのではないかと思います。
オンライン書店を利用する
ここ数年、オンライン書店と呼ばれるサービスが充実してきました。
都内をはじめとする、大きな都市部では大型書店が複数存在することも稀ではありませんが、多くの地方都市では図書の購入に関して(特に専門書に関しては)きわめて不便であるといわざるを得ません。しかし、ここで紹介するオンライン書店での通信販売を利用することで、距離や書店の規模という弱点を補うことができます。もちろん忙しい生活を送る都市部のユーザにとってもその恩恵は大きいと考えられます。
オンライン書店には、代表的なサービスがいくつかあります。例えばアマゾン・BK1・楽天ブックスなどがあります。そして、そのそれぞれが一般的な書店よりも充実した品揃えになっています。
ここではアマゾンを例に出して説明します。
アマゾンを使う
アマゾンは、オンライン書店サービスの最大手であり、また機能が充実していること、販売している品数が多いこと、また扱っている商品が多岐に渡っていることでも人気があります。
和書や洋書はもちろんのこと、CD や DVD なども購入することができます。配送は宅配便が利用されており、購入総額が合計 1500 円以上の場合には、送料が無料になります。
アマゾンで書籍を検索するためには、サーチボックスにキーワードを入れて検索ボタンを押します。キーワードには、書名、筆者名、ISBN番号などを利用することができます。また、「詳細サーチ」では、さらに詳しい検索条件を指定することもできます。
また、近年では、「なか見検索」というサービスが行われるようになり、サービスに該当している書籍であれば、フレーズを指定することで、そのフレーズが含まれている書籍を検索することができます。
ウィキペディアを使ってみる
インターネット上で百科事典を作成するプロジェクトが「ウィキペディア」です。
ウィキペディアでは、有志の手によって様々な項目に関する説明文が記述されています。それらの記述に間違いや勘違いがあった場合、それを他の有志が自由に編集することができるシステムになっています。ウィキペディアは、かなり質が高い説明がある項目もありますが、一方で説明がほとんど無い項目もありますので、利用には注意が必要です。しかし、基本的には信頼できる情報源であると考えて良いでしょう。
使い方は簡単です。ウィンドウ左側の「検索」という欄にテキストボックスがありますので、調べたい項目名を入れ、「表示」ボタンを押すだけで目的の単語の説明文が表示されます。
ウィキペディアは読者参加型のプロジェクトですが、まずは利用者として項目を色々と調べてみてください。
最新のニュースをGoogleニュースで確認する
ニュース記事の配信は、速報性に優れたインターネットの得意とするところです。もし最新のニュースの中に、自分の興味のある記事があるかどうかを検索したい場合には、「Google ニュース日本語版」を使うと良いでしょう。
「Google ニュース日本語版」は、オンラインでニュースを配信している新聞社などのウェブページから、ニュース記事の見出しを切り出して掲載しているサービスです。それぞれの記事の見出しはリンクになっており、そこから元の記事を参照することができます。
自分の興味のある記事に含まれているであろうキーワードを入力して、記事を実際に探し出してみてください。
各種検索エンジンを利用する
ここでは検索エンジン最大手の Google を対象に説明を行います。
Google 使いの基本の「き」の字
Google を使うのは簡単なことです。欲しい情報のキーワードをスペース(全角でも半角でもいいです)区切りで並べて書いて、「Google 検索」というボタンを押すだけです。これを「and 検索」と呼びます。「and 検索」は、すべての条件を満たすページを探しなさい、という命令になります。
なお、隣にある「I'm Feeling Lucky」ってボタンを押すと、検索した後で Web ページに飛びます。これは「検索結果の一番トップのページに自動的に飛べ」という機能です。
「検索オプション」ページを利用する
Google には、ちょっと込み入った検索をするための専用ページが用意されています。それが「検索オプション」です。「検索オプション」ページの上半分の灰色に塗られた「検索条件」という部分は、目的の Web ページにたどり着くために、いつもより検索条件をきめ細かく設定できる部分です。
- すべてのキーワードを含む
一番上の「すべてのキーワードを含む」は,いつも使ってる Google の機能と変わりません。
また、Google ではより左側にあるキーワードを重視する設計になっています。キーワードの順番にも気をつけてください.
- フレーズを含む
Google では長い語を入れると短い単語にわけて検索をするように設計されてます。例えば「中央線特別快速」.これは「中央線」と「特別快速」に自動的に分割されます。これを別れないように組み合わせたまま検索するには、「フレーズ検索」を利用します。特に二語以上の英単語で検索する時などに力を発揮します。
- いずれかのキーワードを含む
たとえば「Google」について知りたいときに,「Google」だけで検索をかけては取りこぼしが生じます。「グーグル」という表記をしている Web もあり得るからです。もしかしたらカタカナで書いているサイトの方がわかり易い解説を書いているかもしれません。そうような場合には、この「いずれかのキーワードを含む」に「Google」と「グーグル」を並べて書けば、二つともを一気に検索してくれます。ただ,検索結果が倍に膨れ上がることも多いため、「すべてのキーワードを含む」で同時に絞り込みも行うようにするのがコツです。また表記の「ゆらぎ」がある日本語で役立つ検索条件でもあります.例えば「モルジブ」と「モルディブ」、「バルキリー」と「ヴァルキリー」などの、複数の表記がある外来語を検索する場合には必須のテクニックになります。
- キーワードを含めない
検索していて、キーワードが合っているにもかかわらず、自分の求めている結果と違ったページが大量に出てきた場合には、その検索結果から一部の検索結果をまとめて取り除くことが必要になります。この際には、「キーワードを含めない」という検索方法を利用します。これを「not 検索」ともいいます。
たとえば,「鳥取に観光に行きたいが,砂丘以外にどこを巡ったら良いだろう」と思ったとします。その時には、「鳥取 観光」を「すべてのキーワードを含む」に入れ、「砂丘」を「キーワードを含めない」に指定して検索をすれば、「鳥取」と「観光」が両方含まれた検索結果から、「砂丘」というキーワードが入ったページが取り除かれます。使い方が難しいですが,ここぞという時に使ってみてください。
効率の良い検索の方法
最近ではオンラインでまず目星をつけてから資料をあたる方が効率がよくなってきました。
たとえば課題で「医療事故」をテーマとする場合、大まかに情報を収集する必要があります。
まずはウィキペディアを使って、大まかに調べると良いでしょう。
→ウィキペディアの「医療事故」の項目
また、最近のニュース記事を調べたい場合には、Google News 日本語版を使いましょう。検索することで、「医療事故」というキーワードが入ったニュースを一覧することもできます。
→Google News 日本語版の「医療事故」の項目
まずこの二つの手段で、テーマの大枠をとらえることができます。さらに書籍での資料が必要な場合には、アマゾン を使ったり、国立国会図書館を利用することもできます。
もし統計データが必要な場合には、Google などの検索エンジンを使って検索する必要があります。たとえば、「医療事故 統計データ」の二種類のキーワードが含まれているページを調べると、「医療事故 統計データ - Google 検索」という検索結果になります。
キーワードとしては、「医療 事件数 推移 裁判」あたりを使って検索すれば良いでしょう。
収集した情報を再利用するために
以上の手段で収集された情報は、レポートやプレゼンテーション、ウェブページにおける公開などを通じて再利用されます。しかし、これらの再利用のための素材は、当然ながら自分以外の誰かが作成した著作物であり、著作権をはじめとする知的所有権によって保護されています。このような場合、それぞれの著作物の利用については、引用という形を取らねばなりません。引用には確固としたルールがあり、それらのルールを守らずに著作物の再利用を行った場合、著作権法に違反することとなります。
それでは著作権について確認してみましょう。
著作権の前に、著作物について考える必要がありますね。著作物とは何でしょう? 著作物とは、頭の中にあるアイディアを、他人が識別できる形にしたもののことです。
- 論文・小説
- 楽曲および歌詞
- 踊りの振り付け
- 絵画・彫刻・漫画・舞台装置
- 建築物・地図・図形
- 映画・写真
- プログラムのコード
などが、著作物の例になります。さらに、これらの著作物を加工した結果生じたものも、著作物となります。このような著作物を二次的著作物と呼びます。
- 二次的著作物
- 小説のドラマ化
- アニメを絵本にする
- 編集著作物
- 百科事典・辞書
- 新聞・雑誌
- データベース
そして、このような著作物には、日本国内では、著作権が自動的に発生します。そして、著作物は、著作者の許可なく、複製したり、公衆に対して発信したりすることはできません。
以下に著作権に関わる公的機関のウェブページを紹介します。
日本では、著作権をはじめとする知的所有権の扱いは文化庁が担当しています。もちろん著作権における扱いについて、詳しく扱われています。また、以下のページは、わかりづらい著作権について、平易な記述で解説をしていますので、ぜひ読んでおいてください。
著作権によって保護されている各種の著作物ですが、それらの情報を、一切再利用不可としては、文化が成り立ちません。そこで、引用という方法が用意されています。引用とは、自らの主張を補強するために、他人の著作物を、他人の著作物として利用するための方法です。引用のためのごく基本的なルールとしては、
- 引用の目的上、正当な範囲内であること
- 引用される部分が、質的、また量的に「従」に相当すること
- 引用される部分が明確に区分されていること
- 出典が明示されていること
があげられます。
情報を書籍やその他の著作物から引用する場合、その詳しい方法については、http://www.jst.go.jp/SIST/が参考になります。特にウェブページなどの電子情報媒体からの引用は、http://www.jst.go.jp/SIST/handbook/sist02sup/index.htmを参照してください。ウェブやメールからの引用では、伝統的な印刷媒体からの引用と異なり、さまざまな現代的状況を考慮しなくてはならないことを理解しておくことが重要です。
ネットワークサービス基礎
様々な専門に特化した情報源の活用
次に、私が注目して読んでいるblogも紹介しておきます。これらのblogでは最新のさまざまな面白いものを紹介してくれます。このように、目的に特化したblogをいくつか持っておくということも大事なことです。
ここらへんはハイテク関係に興味がある人は、読んでおくと楽しいですよ。
参考文献
- 作者: 朝日新聞社
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/07
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- クリック: 1回
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- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
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- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- http://www.noguchi.co.jp/newDB/member/
課題
今回から、口頭でのプレゼンテーションで利用する資料を集めてもらいます。
その前に、みなさんがどのような内容でプレゼンテーションを行うかについて、SNSの日記で発表してください。
今回のプレゼンテーション課題の条件は以下のとおりです。
- 発表内容:自分が今まで面白いと思って興味を持ってきたこと(スポーツ・娯楽・学問,分野は何でも良い)。
- 発表対象:その分野について初めて接する人。
- 発表目的:その面白さを理解してもらえるように説明を行う。
- 発表時間:約5分
さて、以上の点を受けて、今回の具体的な課題としては、
- 自分が発表するテーマ
- そのテーマを選んだ理由
- そのテーマに関する書籍に関する、図書館における蔵書情報
をまずSNSの日記で紹介すること。続いて、
以上です。